『王国』中村文則 蜘蛛の巣にとらわれたかのように身動きが取れない。

王国 (河出文庫 な)
最も古い職業と言われる売春。二番目と言われる掏摸。職業なのか悪事なのか。その中に悪意ではなく芸術性を見い出すことで職業と言えるのかもしれない。

前作(と言っていいのか)の『掏摸(スリ)』で、圧倒的な悪意を見せつけた男がまた彼らを取り込んでいく。
あの男のことは好きになれない。
そして、作者はあの男の存在とあの男を生み出すこの世界を喜んでいるよね。自分の思いのまま世界が動くことを当たり前だと思い、その思いが実は王(神?)の絶対的な正義なのだとでも言うような構造設定。作者自信があの男に取り込まれたかのように。
いや、作者自信があの男なのか。

でも、今度の主人公には甘い対応だね。
理由は?
そういえば彼の時には2%の確率とか言ってましたね。そんな確立まで出されると嘘くさくなるよね。

『王国』(中村文則)_書評という名の読書感想文 | 超書評ブログ.com

わかりやすい書評です。次もブックマークしたいです。

2016/07/19 18:00


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