中編

『忍びの国』和田竜 実力と報酬は一致するのか

石川五右衛門のお話かと思いきや五右衛門は三枚目で終わりましたね。ただ、本物の五右衛門はこのあと15年後に死ぬので、最後の最後まで生き延びる設定なのでしょう。 忍術がずば抜けた(超人の)体術のような感じになっているので、その辺は割り切って読むし…

『掏摸(スリ)』 中村文則 自分のルールを守りたいからアウトローで居るのに、何故力の強いやつに振り回されなくちゃならないのか

俺は悪いことする奴は嫌いだし、生まれのせいにするのはもっと嫌い。 そして、仕方ない、と思っちゃいけない。 暴力のなかで生まれる人格を乗り越えさせようとしているんだよね。 そうじゃないときもあるから中村文則が根本的にどんな人間なのかは分からない…

『地球平面委員会』浦賀和宏 望まぬ名と剣を持たされた理不尽さを乗り越えたとき、彼は勇者となるのか愚者となるのか

大学の変わったサークルで楽しく遊ぶ。 SOS団の大学版かと思っていたら、ある意味あってたけど、根本的に違ってた。設定を上手く使っているというか、設定事態がミスリードだし、誰もが感じている「あの世界」での「あの謎行為」に立ち向かっているとは思い…