『震える牛』 相場英雄 悪貨は良貨を駆逐する。悪は悪を呼びさらに深く潜っていく。

『ファントムの夜明け』を1月27日に読了してからほぼ一ヶ月本読んでなかった?
忙しいって言えば忙しかったけど、なんか読んだ気がするなぁ。
でも記憶が甦ってこない…やっぱり一ヶ月ぶりか。

相場英雄ははじめて読みました。
本屋ではよく見かけたので気になっていたんだけど後回しになってた。
装丁がいいよね。
震える牛 (小学館文庫)

オックスマート・グループとクローズ・キングの商戦ストーリーかと思ったんだけど、全然違った。もっとディープな、そして身近な題材でした。
オックスマート・グループが震え上がる、っていう事だと思ってたんだけどね。
ある意味震え上がってたけど、やっぱり最後にものをいうのは金か?

100円や200円で食べられるものが美味しくて安全だなんてあり得ないよね。
牛肉偽装事件のミートホープを彷彿とさせる(そのまんまだけど)悪徳
大手小売業やモールの進出による地方産業の空洞化。買い物難民
企業と政治の癒着。警察の闇と信頼。
いろんなものを詰め込んだいい作品でした。

プロローグとエピローグが弱い。
プロローグは最後までどうでもよかった。もっと何かに繋げてこそのプロローグではないか?
エピローグはもっとひどい。

主人公は鑑ドリのプロでメモ魔。まではOK。
そのメモ帳が厚くなりすぎてスーツの胸ポケットが歪んじゃうっていうのはNG。
ちょっと膨らみが大きいって位ならわかるけど、スーツがダメになっちゃうって…そんなにポケットが大きくないよ。先にポケットが破ける。

イオンとユニクロを揶揄してて面白かった。
特にイオン。
ミートホープの事件でも関係してたけど表立って言われなかったね。その答えがここにあるの?