『家守』歌野晶午 今年のヤモリと去年のヤモリは同じヤモリなのか。また来年も同じ場所にヤモリはいる。

長編に定評がある?歌野氏の短編集です。
家守 (角川文庫)
あれだけ上手に人をだまし続ける長編を書くけど、短編って切れが必要だよね。とか、生意気な感じで読みましたが、テンポ良く一気読みできます。今の事件と昔の事件が少しずれて重なっている。この重なり具合が良いですね。
「人形師の家で」で亡くなったのは自分の父。居なくなったのは親友。壊れたのは人形。
時間のずれ具合がわからないままに主人公の目的が見えてくるところが面白い。が、親友の目的も見逃せない。

表題作の「家守(やもり)」は途中で、何となく見えてくるがけど、誰が幸せだったのか考えてしまうところがいいのかな?と思った。

作家探偵の「鄙」は情報が唐突だけど、安楽椅子探偵っぽくて良かったですね。弟の役回りもしっかりしているので、シリーズ化したりするのでしょうか。

『家守』 歌野晶午著 ( 読書 ) - 清貧 まったり生活 - Yahoo!ブログ

短編がうまくなったってことはいいことですね

2016/03/31 15:52