長編

『聖なる怠け者の冒険』 森見登美彦 困っているならば我が輩の手を摑むがいい。 困っている人を助けることが我が輩の仕事ではなかったか?(泣ける)

森見ワールド炸裂。炸裂しすぎてファン以外は読まないレベル 当然のごとく場所は京都。主人公はなんかの研究所の新人。そしてたぶん京大卒。 冒険の物語なのにはらはらドキドキ丁々発止手に汗握る展開などない。期待してはいけない。 だが、どうでも良いよう…

『北天の馬たち』 貫井徳郎

『ドミノ倒し』と一緒に買ってきて先に向こうを読んだでしょ。それで、続けて「探偵もの」だからテンション下がっちゃいました。 でもきっと…と思いながら読み終わりました。何で長編にしちゃったんでしょう。もう少しエピソードを分けないと2年間の深まり…

『ドミノ倒し』 貫井徳郎

題名から想像するような、倒れ始めたら止まらない!連続殺人を止められるのか‼というスリリングな物語、ではなく。 すべてピースを倒されないように並べていく精密な物語 、でもなく。 どたばた劇でした。悲劇でも喜劇でもない。何でこんな題名にしたのでしょ…

『 重力ピエロ』 伊坂幸太郎 小さなとげは抜けない。そして中で腐って膿となる。膿さえ出しつくせば元通りになるのか。

やっと秋らしくなってきた。秋と言えば読書の秋。夏の間は暑くて読書どころじゃないよ…と言うほど読まなかった訳じゃないけど、レビューを書くところまではたどり着けなかった。オリンピックもあったし。 という事で、8月9月に読んだのは7冊くらいかな。こ…

『しゃぼん玉』乃南アサ ほんの些細な出会いがきっかけになる。そのきっかけに気付きさえすれば。

ちょっと悪い方にズレてしまうと、自分だけの力で修正するのはなかなか難しい。というか、このところそんな本ばかり読んでるなぁ。このままじゃ心が病むかも。 本人さえ、どんな手助けが必要なのかが分からなくなってしまっているのに、誰がどんな力を貸して…

『砕け散るところを見せてあげる』竹宮ゆゆこ 敢えて荊の道を歩む。愛してくれる人を信じて。

その微かな光だけで満足(幸せを感じられる)するのは大事なことだけど。 幸せであることが当たり前で鈍感になっている人が増えてしまっているのかもしれないけど。 もう少し幸せを望んでも良いんじゃないか。 周りとうまくやれていない女の子。大人になった今…

『Q&A』恩田陸 ほらあそこの、光に近い方が神で闇に近い方が悪魔。いいえ、両方とも悪魔よ。

何故『Q&A』なのか。 『質問と応え』という構成は面白いかもしれないけど、だからこそ表現できた内容にはなってないかな? 結局よくわからないまま、よくわからないから、人の心を蝕んでしまった。 いくつかの災難のなかでも心を病む人、心を蝕むものが発生…

『高校入試』湊かなえ ボタンの掛け違いは、ボタンを外して最初から掛け直すことだってできる。その勇気がある者だけがドアを開けて歩き出せる。

ドラマになったと言うか、ドラマの為の脚本(脚本家としての一作目)の小説化ですね。 当然、DVDも販売されてます。 ドラマは見ていないしシナリオも読んでいないのです。 脚本って、心情とか文体とか作家に必要なものは要らないって思ってたんだけど合ってる…

『密室殺人ゲーム2.0』歌野晶午 「自分が一番。」とまでは思わなくても「いけてるんじゃない?」 って思ってるヤツが多すぎる。

『密室殺人ゲーム 王手飛車取り』の続編です。 『王手』の続きが展開するかと思って読み始めたら、?「挿入話?」「後日譚?」まいっか。という感じで読み始めることになると思います。 でもなんか違和感が… すぐに言い訳(説明)が入るわけで、その設定で話は…

『蟻の菜園 ―アントガーデン― 』柚月裕子 つらくて切ない。それだけで終わってくれれば同情するだけで良かったのに

彼女の作品では、上川隆也さんの主演でドラマにもなった佐方貞人シリーズ(シリーズというほどのボリュームでもないけど)が、一念岩をも通すって感じの主人公の生き方に賛同できた良い作品だった。 彼の台詞もキマッテいる。罪と情状酌量(感情は定量で図れ…

『主よ、永遠の休息を』 誉田哲也 男は過ちを繰り返し 女は十字架を背負いきれない

キャップに最後の言葉を言わせたいがための物語ではないだろうか。 それはそれでいいと思う。あの結末でしか出てこない言葉だからあの結末になるのも仕方がない。 そして、なぜ大人の男がもっとリアルに解決に向けて動かなかったのか。 助かる命があるのでは…

『ボトルネック』 米澤穂信 人の物を取り上げてすぐに飽きてしまうジャイアンな奴よりも、人の欲しいものを持っているにもかかわらず粗末にするのび太な奴のほうが憎まれる

アニメーションの『氷菓』は見たのですがそのせいもあって、米澤氏の小説はまだ一冊も読んでいませんでした。 アニメーションがどの程度原作を表現できているかはわかりませんが、悪評はないので上手に構成されているのではないかと思います。 その「古典部…

『九月の恋と出会うまで』松尾由美 うつむいて歩く男が無愛想な理由が機嫌が悪いからだとは限らない

本屋さんに平積みになっていて、『書店員が選んだもう一度読みたい恋愛文庫第1位』っていう帯に興味を持ってみました。 もう一度読みたいってことがメインなのか、恋愛小説ってことがメインなのか…とか難しいことを考えたわけじゃないんだけど、兎に角そん…

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午 中日ファンという理由だけで殺されてしまうことが有るなんて

3部作なの?? To Be Continued 密室殺人ゲームシリーズが3冊なのは知っていたけど、連作長編小説だとは思わなかった。 続きを読みたくはなるけど、確かかなり厚かったぞ。5人だけのネットコミュニティの『遊び』は探偵ゲーム。 殺した犯人を捜すのではな…

『ドンナ ビアンカ』 誉田哲也 恋に落ちてしまうと真っ当な思考が出来なくなってしまうモノなのか

魚住久江シリーズの第二弾は長編です。 装丁は『ドルチェ』と同じく、真っ赤な傘の女ですね。 今回も「ブクロの金魚」の片割れ金本と行動を共にすることになる久江。 でも、以前とは違う目で見ることができる様になっている。峰岸くんの存在も大きくなってき…

『あなたが愛した記憶』誉田哲也 愛する男の為に命を懸ける女。愛する男の為に他の男に身をゆだねる女。

そうです、二冊買ってしまったのはこの本です。 誉田氏のサスペンスというかミステリーというかホラーというかそういうところが好きなのでそれだけでも買いたく(読みたく?)なったのですが、題名と帯に書かれた内容のギャップにも惹かれました。だって、『あ…

やってしまいました。今年は1回目…

本屋の前を通ると寄ってしまいますよね。平積みの新刊コーナー見て、ベスト10コーナー見て、面陳の店員さんおすすめ見て…と気が付くと「あら、こんな時間」ってなっちゃいます。当然、手には数冊の本が!そのままレジに行ってしまうわけですが、私のように読…

『彼女が灰になる日まで』浦賀和宏 女の怨念はどこまで続くのか。怨念は愛に変わるのか

前作で瀕死だったフリージャーナリストの桑原銀次郎のシリーズ第四弾。 一応銀ちゃんは生き返ったけど、もはやゾンビなのか。覇気がない。 文章も同じ言葉の繰り返し。これは銀ちゃんの容態を表すためのテクニックなのかな。浦賀氏の劣化かな?前者という事…

病院の待合室で読むと

調子が悪いわけではないけど病院に行ってきました。 結局良いか悪いかはまだわからないんですけど、それとはべつに。 待合室で待ってる間に本を読み終わっちゃたわけです。 2時間くらい待ってましたからね。 そこにあったのはたくさんの本なんですが、『ゴ…

『彼女の倖せを祈れない』浦賀和宏 彼女は本当に幸せなのか。オンナの幸せとはなんなのかを考えさせられる。

桑原銀次郎シリーズの第三弾です。 「銀次郎死す」もう死んじゃうの? いや、どうなの?今回は銀ちゃんは何もしないで殺される役でした。 でも、『彼女が灰になる日まで』があるってことは生きてるの?死ぬ前の話?『彼女は存在しない』みたいに別の話? 『…

『震える牛』 相場英雄 悪貨は良貨を駆逐する。悪は悪を呼びさらに深く潜っていく。

『ファントムの夜明け』を1月27日に読了してからほぼ一ヶ月本読んでなかった? 忙しいって言えば忙しかったけど、なんか読んだ気がするなぁ。 でも記憶が甦ってこない…やっぱり一ヶ月ぶりか。相場英雄ははじめて読みました。 本屋ではよく見かけたので気…

間違ってしまうこともある 『ルパンの消息』横山秀夫 読み返し

読み返し横山秀夫を三連チャンで紹介しようと思って『ルパンの消息』をペラペラと読み返した。面白い。 人物が一人づつ生きてる。 ちゃんと全部読みたくなる。 おや?読みかけの本が進まないから「紹介」と称してブログにアップしてるけど、新しい本読んでコ…

『64』横山秀夫 読み返し

この長編を一気読みできてしまうって横山秀夫のすごさだよね。 読んでも読んでも謎を残して、でもご都合主義には終わらせない。ドラマ化されたと思ったら今度は映画化。 佐藤浩市は好きだから見に行ってもいいかも。その前にドラマも見ておこうかな。(こちら…

『ファントムの夜明け』浦賀和宏 その力は愛するものと巡り合う為に芽生えたのか。

時間かかった。 設定にのめり込むのが大変だった。 最後まで読んでこその浦賀和宏ですから。と思いながら一ヶ月かけて読んだわけだけど、最後の方は一気読みですね。それでも「ファントム」の「夜明け」に向けて話が進むのか、夕暮れに向かうのか色んな結末…

『沈黙のエール』横関大 読み終わった

『グッバイ・ヒーロー』の衝撃には敵わないけど『チェインギャングは忘れない』と同じように影のヒーロー書かせたら最強だと思います。(影のヒーローって何だ) 誰が誰にエールを送っているのか。いつ助けに来てくれるのか。 でも絶対に居てくれる。そんな「…

『プラ・バロック』結城充考 読み返し

ドラマ化のされている最中にその事を気が付かなかった理由はふたつですね。 ひとつめは題名が違っていたこと。 ふたつめは俳優が好きではなかったこと。刑事ドラマは好きです。題名も気になっていました。この小説の主人公と同じだったから。「女刑事でクロ…

『約束の森』 沢木冬吾 絆って実の家族じゃなくても深まるんだな。

事件で奥さんを亡くした元警官と二人の同居人、そして一頭の犬の物語。大長編。 事件に巻き込まれて希望を持てなくなった人間が、同じように希望を捨てた犬と関わることで変わっていく。 でも、やっぱり事件を呼び込む星の下に生まれてきてるんでしょうね。…

『ツナグ』辻村深月 気持ちって見えなくてもそこに在るんだよ

本当の辻は点が二つある旧字体ですね。 映画にもなったので俳優さんのファンの方なども知っているでしょうね。 まぁ亡くなってしまった人と、一度だけ会うことが出来る(ようにしてあげられる)力を持った人とその人に関わることで区切りをつけていく人たちの…

『彼女は存在しない』 浦賀和宏 大切な人を守るために。でもヒーローの正体は誰にもしられちゃいけないんだよね。

存在しない彼女とは誰なの? 存在しないはずなのに確かに存在している。 いや、存在するはずの彼女が存在しない。 自分を自分で分析して、たどり着く結末に答えはなかった。 巻き込まれた人は可哀想だけど、本当にあり得そうな現代病だから怖い。銀次郎シリ…

『彼女のため生まれた』浦賀和宏 とは

浦賀和宏の『彼女のため生まれた』の紹介 銀次郎シリーズ(彼女シリーズ)の第二弾。 銀次郎の母親を殺した同級生渡辺は、その理由は銀次郎が好きだった女の子をレイプしたからだと遺書に書き自殺した。 母親を殺され、レイプの汚名を着せられた銀次郎は真実を…

『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 とは

伊坂幸太郎の『アヒルと鴨のコインロッカー』の紹介 新大学生が都会(仙台)に出てきて、なんかわからないうちに犯罪や死に係わってしまう。 その係わりあい方は自然でもあり不自然でもある。 不自然な理由はなれなれしい隣人のせい。映像には適さないと思われ…

『ストロベリーナイト』誉田哲也 快楽なのか中毒なのか。

テレビドラマと映画にもなった『ストロベリーナイト』シリーズ(姫川シリーズと呼ばれてる)の第一弾です。 警視庁捜査一課の姫川玲子は若くて才能が有って美人、さらに暗い過去がある。ドラマでも竹内結子が熱演。 公園の池のそばで見つかった死体から始まる…

『インビシブルレイン』誉田哲也 とは

誉田哲也の『インビシブルレイン』 を紹介 姫川班シリーズの第四弾。『ストロベリーナイト』の題名で映画化された。(商業的な理由であることは明らか) 姫川班の大きな転換期となる事件。 やくざって本当の親子兄弟ではなくても、他に頼るところが無いから…

『絶望ノート』歌野晶午 とは

歌野晶午の『絶望ノート』の紹介 いじめに合いその絶望感を日記につづる。 そしてそのはけ口を拾った石に求める。ってとこまでは『ふーん』なんだけど、そこからは人・人・人。どうやって人がつながっているのかを思い知らされる。 そしてやっちゃいけないこ…